大きな音を出せない環境でギターを弾くならPCとの連携がマストでベスト

エレキギターのお話しです。

個人的な事ですが私最近引っ越ししまして、日本の賃貸住宅環境の厳しさを現在進行形で痛感しておるところでございます。ギターをガンガン弾くなんてとてもとても…。

ただ、今は昔とは時代も違えば機材も違います。PCがあれば何でも出来る!…あっ、オーディオインターフェイスも(笑)。

とにもかくにも今回は、“エレキギターもPC頼ろうぜっ”ていうお話しです。

はじめに

まず最初に前提条件というか、私の脳内シェアからです。今回の内容、プレイ環境や考えが近い方には参考になるかと思いますが、そうでないなら時間の無駄なのでご退場願います(笑)。

私的思考と趣向
  1. 弾きこもりプレイヤーである
  2. 小音量サウンドでも満足したい
  3. 自宅レコーディングをする
  4. 基本リアル機材が好き
  5. ヘッドホンプレイは好きくない
  6. Easy to use!!

まあこんな感じ。趣味でエレキギターを楽しみたい人なのです。おうちで弾いて楽しんだり、楽曲作ってレコーディングしたり…ってのが主な目的かな。

一番好きなのはやっぱり真空管アンプ。でも音もガワもでっかいし狭い部屋で弾くには色々制約を課されます。何が自分にとってベストなのか長い紆余曲折を経て、今はSynergyというプリアンプを愛用しています。

ソフトウェアに頼ろう!

大音量プレイが厳しい環境でリアルアンプを弾くために取れる対策は色々あるにはあります。音量自体を極限まで下げたり、アッテネーターを使ったり、ヘッドホンでプレイしたり。

私はアナログ機材大好き人間ですが、正直、家弾きならば今やデジタル機器に頼った方が“より楽により良いサウンド”を得られると思います。ここで言う“良いサウンド”とは、自分にとって納得のいくもの、とお考え下さい。

で、ソフトもハードもどの製品をどの様に組み合わせどう使うか、はあなた次第なのです。そう!それが沼(笑)。ただ案ずることなかれ、入口までは私めがご案内致しましょう。

良質な小音量サウンドを求め続ける純粋な我々家弾きプレイヤーが取れる選択肢、及びデジタル技術満載製品の種類(ハードもソフトも)をちょいご紹介しましょう。

フルデジタルスタイルで行く

Positive Grid / BIAS FX 2.0 Standard

Positive Grid / BIAS FX 2.0 Standard

PC上で全てを完結できる、ソフトウェアオンリースタイル。リアルアンプの音をデジタルにて再現する所謂アンプシミュレーターは最も安上がりで選択肢も非常に豊富。

アンプのみならずキャビネットや各種エフェクト、実に多種多様なものがデジタル製品化されており、ギターのトータルサウンドをPC内で簡単に構築できます。

今回ピックアップしているBIAS FX2は私も所持していて、個人的にはキャビネット部分がシンプルでお気に入り。実機と組み合わせた際ローノイズなのもグッドです。CPU負荷がちょい高めなのが玉に瑕。

フリーのものやトライアル版も各社大概は用意してくれているので、自分に合うかどうか簡単に試せます。嬉しい事に製品数は滅茶苦茶多い。今後私もガンガン試してみるつもり。

代表的なもの

今回私が今知り得るものを列挙する事に留めますので、気になるものは各々でコピペして調べてみて下さいませ。サウンドはもちろん、それぞれ特徴が違います。
※シンプル表記順不同です

Positive Grid /BIAS
Native Instruments /Guitar Rig
Waves /PRS SuperModels
IK Multimedia /TONEX
IK Multimedia /Amplitube
Overloud /TH-U
Softube /Amp Room
Universal Audio
Brainworks
Neural DSP
Bogren Digital
JST /Toneforge
STL /AmpHub
STL /Ignite Emissary
kuassa
MixWave
Ml Sound Lab
LePou
Blue Cat Audio
Audio Assault /Berry Amp
Two notes /GENOME
Neural Amp Modeler
Blackstar /St.James Plugin

アンプに特化したもの、総合的なバンドル製品、色々あってお気に入りを探すのはかなり大変。とにかく試しまくるのが良いでしょう。メジャーマイナー他にもまだまだありますよ。いやぁ楽しい♪

メリット・デメリット

👍メリット

あくまでもデータなのでリアル製品に比べ安く購入できます。ソフトウェア商品はセールも頻繁に行われますしね。それでいてアンプ、エフェクター、キャビネットとギターサウンドを構成するもの一通りを容易に揃える事が可能なのも凄いですよね。

サウンド面に於いても実機に迫る勢い。まだ全くの同一という訳ではないですが、特にデータ化した際、ブラインドテストだともはや判別不能なくらいの代物になってます。プレイ時だと感触の違いがハッキリ感じ取れるのに不思議ですよねぇ。

また試奏が簡単。家にいながらにお試しが出来る。当たり前に思いがちですが実際は凄い事。そして無料のものが結構あり、中にはマジで良いものもあります。

👎デメリット

思いたったらすぐプレイ!…というのは出来ません。PCの電源入れてソフト立ち上げて音量調整して…といったプレイ前のセットアップ工程がちょいメンドい

ソフトウェア自体は安く済ませる事も可能ですが、その周辺機器はまた別の話し。それなりの性能を持ったPCやオーディオインターフェイスは必要です。DAWソフトも結構高いですが、実は無くても演奏だけなら可能です(後述)。

またジャンルにもよるかもですが、ソフトウェアだけでライブするのはキツイと思います。セットアップ複雑になりそうですし、PCに問題起きたら目も当てられない。瞬時にトラブルの原因を掴むのもまず無理です。不具合の原因がPC自体にない場合もありますから。

ハードウェアを使っちゃう

 Fractal Audio Systems / FM9 MARK II Turbo

Fractal Audio Systems / FM9 MARK II Turbo

弾きこもらず、将来的にステージでプレイする事を考えている陽キャの方は、もうこういうのんイっときましょう。所謂ギタープロセッサーというヤツですね。

実機とは言え中身はデジタルデータ。基本的に専用のソフトウェアが付属しており、連携する事でより細かな調整や、様々な新しいサウンドを入手できたりします。

イメージ的には、ステージでの使用を考慮され設計されたギター専用PCって感じ。マルチエフェクターの進化版とも言えますが、今やアンプモデルはどの機種にも当たり前の様に入ってます。純粋な“マルチエフェクター”はもはや存在しないかもしれません。

KemperやQuad Cortex、TONEX Pedalなどアンプに特化したもの。AxeやHelixなど総合的な能力を持つプロセッサー。ラック型やストンプ型、また各種グレード毎に製品展開してくれてはいるので、自分に必要なものをしっかり見極め吟味して購入する事をお勧めします。

代表機種

Fractal Audio /AXE-FX,FM
Line6 /Helix
Neural DSP /Quad Cortex
Kemper
BOSS /GT-1000
IK Multimedia /TONEX Pedal
Fender /Tone Master Pro
HeadRush /Prime
Zoom
Moore
NUX
Hotone
St.Rock /amperium

Moore、NUX、Hotoneは結構昔からある確かな技術力のある中華ブランド。コストパフォーマンスが高く、製品自体コンパクトに設計されているのが特徴です。この分野、日本ではBOSSとZoom以外に…あったっけ?

メリット・デメリット

👍メリット

プロセッサーの場合、基本膨大な数のアンプモデルやエフェクトを内蔵しており、1台でサウンドの構築を完結させる事が可能で持ち運びも容易。入出力端子数にもよりますが、拡張性もあり接続先も選ばず使用する事ができます。

アンプモデラーの強みは間違いなく“音”。言わば高性能なコピー機で、もはや本物との区別は聴く分には不可能、違いが分かるのはプレイヤーだけでしょう。発売から後継機種を出していないKemperは間違いなく革命機だと言えます。

音的にも可搬性という面から見ても“自分の音を持ち運ぶ”を本当に実現できるのはこのデジタルハードウェアだけじゃないでしょうか。家でもスタジオでもステージでも当然レコーディングでも、安定したサウンドを出す事が可能です。

👎デメリット

基本的に価格が高い。言っちゃえばPCやゲーム機みたいなものですからね。

実機の場合、それ自体が音を出す機械なので“個体としての価値”があります。特に楽器の場合はヴィンテージ化していくので廃れにくいです。

ただこのデジタルデータを扱うハードウェア機器の場合、まず間違いなく一定間隔で後継機が出ます。PS4がPS5になるように。実アンプやエフェクター等とは違い、古くなるほど価値が低くなっていくのが実情です。

次に、操作を覚える手間が掛かります。細かな部分まで調整、設定ができるという利点は裏返せば操作が複雑になるという欠点でもあります。シンプルなノブが並ぶ実機と比べ直感的な操作は行えないので、私みたいな面倒くさがりには向いてない。

実機+デジタルのハイブリッド法

 ALBIT / A45M pro

ALBIT / A45M pro

ここで言う実機とはアナログ機材の事です。やはりリアル機材はダイナミクスに富んでおり生々しさが違います。現在の優れたソフトウェアと組み合わせれば自宅で“良質小音量プレイ”も夢じゃない。

このAlbitの真空管プリアンプであれば、キャビネットシミュレーターと併用する事で演奏も録音もOK。実機側ではいつものように音色を作り、ソフトウェア側でキャビネットの種類やマイキングなど音の出口側を整える感じです。

使用するキャビIRで音の印象は様々変化します。実際にキャビネットを入れ替えるがごとく、PC上で楽々そのセットアップが行えるのはマジで楽しいし便利すぎです。出音に直結する部分なので、ソフト選びも重要になります。

メリット・デメリット

👍メリット

シミュレートされたものとは違う、実機そのもののリアルサウンドを楽しめる。ソフトウェアの進歩により、所謂“いいとこどり”という形になります。

キャビ出しの音圧感やレスポンス部分に於いて劣るのは確かですが、工夫次第で納得いく音色を出す事は可能です。昔の様な“デジタル臭”はもうしない?(笑)。

ソフトウェア側の影響はことのほか大きく、キャビネットやマイクを変えるだけで実に多彩な音色を生み出すことが可能です。販売ブランド毎にも特徴があるので、自分のお気に入り機材と相性の良いモノを探し出す楽しみも増えます。沼ですが(笑)。

👎デメリット

実機側にオーディオインターフェイスに接続可能な端子がない場合、DIやロードボックスなど追加機材が必要になります。特に古い製品はそれに当たる可能性が高いでしょう。

次に操作性における問題点。ハードもソフトも使用機材が増えるとその分ボリュームも増えるので、音出しや録音の際、整合性を取るのが結構大変。
私の場合、プリアンプ2個、パワーアンプ1個、インターフェイス2個、モニタースピーカー1個、キャビシミュいっぱい、DAWにも…(笑)。

後は持ち運びには向かない完全自宅プレイ用となる事ですかね。弾きこもりさんには関係ありませんが。でセットアップに時間がかかるのもデメリット。

例えば私の場合…

現在私はアナログ+デジタルのハイブリッド方式を採用。レコーディング可能なアナログ機材を模索し辿り着いたのは真空管プリアンプ。小さくてシンプルで比較的安くてただ最高。

私には何千と言う膨大なサウンドは不要。方向音痴なので音迷子になるのがオチ。欲しいものを狙い撃ちして入手するのが性に合ってると感じます。みんなはどない?

使用機材(ハードウェア)

セットアップ
  1. エレキギター
  2. プリアンプ(Synergy)
  3. パワーアンプ(Blackstar Amped1)
  4. オーディオインターフェイス
  5. PC

これまではAmped1からギターキャビネットに繋いでたのですが、今はこの様にPCに接続しモニタースピーカーから音出ししています。キャビネットから出す音との乖離をできるだけ小さくするのが目標で現在も試行錯誤中

真空管アンプは只今押し入れの中。機材の小型化を図りSynergyとAmped1の組み合わせに現在落ち着いており満足。と言うか今の円安下の中では新しい楽器を買うのはキツイ。マジ高すぎ。こうなる前に欲しいもの揃えれて良かった。

正直Amped1は無くても機能するのですが、プリアンプ使いの私には音的な恩恵は物凄くあります。多彩な音色変化を起こせますし、録音素材を聴いてみてもAmped1を通したものの方が良いと感じてます。

使用ソフト

主な使用ソフト
  • PreSonus /Studio One
  • Two notes /Wall Of Sound
  • PositiveGrid /BIAS FX2
  • STL Ignite /NadIR

ギター弾くならこんなもんですかね。実機を使う以上、ソフト側にはキャビネットの役割があれば良いので、今手持ちのものをそのまま使っている感じです。メインはWall Of Soundですが、BIASのキャビネット部もかなりお気に入り。

個別IRなんかも少しばかり買っていて、CelestionのIRはやっぱり本家のモノだけあって中々に良き。で、そういう個別のIRの読み込みにはSTL(Ignite)のNadIRという無料のローダーを使用しています。簡単なんで。

DAWにはStudio Oneを相変わらず使っているんですが、ギターをパッと弾きたい時に一々立ち上げるのが面倒くさい。BIASはスタンドアローン版があるのですが、それ以外はないんですよね。Wall Of SoundやNadIRもサクッと使いたいんです。

で調べたら…ありましたよ方法が!しかも無料で!

Cantabile Lite

所謂“VSTホストアプリケーション”。VSTを読み込んでスタンドアローン的に使える神アプリなんです。まさにラック。無料で使用できますし、こいつは素晴らしい。

アンプシミュレーターなんかはスタンドアローン版が用意されている事が多いですが、キャビシミュはほぼ無いんですよね。エフェクトなんかも読み込めるので、お気に入りのリバーブなんかも使えます。

ただまぁ完璧では…ない。モノによってはモノラルでしか音が出なかったりします。設定できるかも?ですがちょっと分からない。

私の場合、このCantabileにキャビシミュをロードさせてアンプの如く使ってます。サウンド的にはまだ試行錯誤しておりますが、それはまたのお話しという事で。

▼Cantabile
https://www.cantabilesoftware.com/

終わりに

正直、今のデジタル技術マジっぱねえッス。この記事を書いてる裏でアンプシミュレーターを沢山トライアルしてるのですが、録り音は凄く良い。

無料のものも良い感じなのですが、有料のものは更にグッド。トライアル期間が終わる前に音源化して次回は比較記事上げます。自分でも客観的にチェックしたいですし。

家弾きプレイも選択肢が豊富にあり、必ず自分に合った方法を見つける事が出来ます。資金があろうがなかろうが、何も出来ない事はないです。無料アンプシミュレーターから入るのは全然ありじゃないですかね。

私自身はSynergyをメインに使い続けていくので、今欲しいのはやっぱキャビシミュとかIR。良さげなのをメチャクチャ物色中です。どちらにせよそんなに大きな買い物にはならないので、気持ち的にもアガッてます!

やっぱとことん、楽しまないとね!