BABYMETAL「THE OTHER ONE」の感想…

BABYMETAL

個人的に現在、国内で一番好きなアーティストだと断言できる。そんな彼女たちの新作が久しぶりに登場したという事で半興奮状態でCDを購入。

とは言えファンクラブに入ったりライブに行ったりするような本域の人間ではありません。故に何でもかんでも肯定する事は致しませんので悪しからず。

今回のBABYMETAL最新アルバムレビュー。愛ゆえに…

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THE OTHER ONE

BABYMETAL THE OTHER ONE

●収録曲
1. METAL KINGDOM
2. Divine Attack – 神撃 –
3. Mirror Mirror
4. MAYA
5. Time Wave
6. Believing
7. METALIZM
8. Monochrome
9. Light and Darkness
10. THE LEGEND

何曲か先行配信されつつ、2023年3月24日に世界同時リリース。コンセプトアルバムという事で各楽曲の世界観が統一されているのが特徴。

彼女たちの完全復活、新たなる伝説が始まるのか…。

正直な感想

ではレビュー。思ったことを包み隠さず言葉にします。もしあなたが全肯定する“信者”であるという自覚があるなら、ここからは閲覧注意です(笑)。

あと私も一応音楽やってる人間なので、そういう視点からも偉そうに勝手に語らせて頂きます。当然ながら好みの傾向もあるという事もご了承ください。

楽曲の傾向

幻想的かつ壮大な世界観を生み出そうとしているのは伝わります。特にそれが顕著に現れているのが歌メロで、今作はそこに最重点を置いている様に感じます。

全体的にサウンドはダーク。遊び心がある楽曲は少なく凄く真面目。バラエティに富んだラインナップでは無いので、飽きが来るのが早い可能性あり。

ギター

多弦ギターの超低音をブリブリ多用するリフを全編に渡り展開。所謂ジェントと呼ばれるモダンメタルスタイル。聴いててちょっとしんどいです。

これまでの作品ではツインギターの一方を単音速弾きフレーズ等で重ねたりしてくれていて、聴きどころが分散され耳も嬉しかったのですが、今作はソロ自体がほぼ無い。

ギター好きとしては正直物足りなく飽きやすい。テクニック至上主義という訳ではありませんが、これならライブも神バンドじゃなくても良いかなって思っちゃいますね。

近年ギターソロ飛ばしたりそもそもサビしか聴かない人種がいるらしいですけど、そんなのターゲットから外すべきだし、BABYMETALファンは絶対耳超えてきてると思いますから、もっと時代と逆行してガンガン弾き倒して欲しいですね。

ボーカル

SU-METALのパワフルなボーカルは健在。今作ではビブラートも意識的に使用してますね。ライブから離れた期間が長く、大きなステージでのパフォーマンスを以前の様なものに戻すのにしばらくかかるのでは?と想像しますが、まぁ問題ないでしょう。

ではここからは厳しめに。

これは彼女だけの問題では決してありませんが、変化に乏しい。要は与えられたメロディをそのまんま歌っている感じが凄くする。人間は同じことの繰り返しに弱く、1番2番、ラストのサビを全て同じふわりや歌詞で歌われると確実に飽きます。

制作者側の意向であるのであれば、そっちの責任。そろそろ彼女も次の段階に上がれると思いますので、そこは回りが後押しすべきだと思いますがね。

シャウトやアドリブを絡めたり、ファルセット使ってみたり、ボーカルスキルをより多く取り入れる事を許し、自由度の高い表現が出来る環境を彼女に与えてあげてもらいたいです。

好きな曲

色々不満言っちゃってますが、とは言え好きな曲も当然あります。各楽曲について私なりに感じた事を好き勝手にお話しいたしましょう。

Divine AttackとMirror Mirrorは前作の流れを汲む“彼女たちらしい”曲調で聴きやすいと思います。特に後者はブレイクでヘドバンタイムがあるお得意の構成が〇。

今のところ一番のお気に入りはMETALIZMかな。オリエンタルな曲調でちょい遊びボーカルとしっかり弾いてくれているギターという組み合わせが好き。

Light and Darknessは第一印象アニソン(笑)。しかしながらかな~り好きです。歌モノとして完成度が高い。バックのアレンジにもしっかり変化が付けられていて、1曲を通して聴き所が多くあります。歌メロにも変化があれば尚良し。

総評

THE OTHER ONE

ロックやメタルといったジャンルの楽曲が本来持っているパワー、拳を振り上げ頭を激しく振り前向きさや元気を湧き起こす、そんな胸熱な作品ではないのかも知れません。

バッキングは激しいと言えばそうですが、ボーカルメロディが「聴かせるもの」になっており、どこか噛み合ってないようなモヤモヤとした感覚があります。

遊びを少なくし本格路線重視にするのであれば、単純にカッコよくして欲しい。昔アニメタルという企画作品がありましたが、似た感じのJポップメタルみたいな方向には行かないで欲しいです。やってることはポップスでバックの演奏がメタル、みたいなね。

個人的にはそういった危うさを少なからず感じた作品でした。ただ新メンバーを正式に迎え3人体制に戻るという事で表現の幅が確実に広り、今後の活動にかなり期待はしています。

楽しみ。