気付けば打ち込み用のドラム音源、結構持ってた。ってこんな記事いつかも書いた気がするが気にしない。時と共にモノは増えてんだ。
これは時間を掛けセールで安くなる度に少しづつ追加購入してきた結果で、ある種の遺産みたいなものなのです。お金は本当にないんだから(笑)。
ドラム音源、好きなんですよ。なんかすぐ欲しくなる。でも高い製品には絶対手を出さない人なので、現行最強のアレとかアノ製品なんかも持っておりません。そういうのは期待せんといて下さい。
はじめに
今回比較するドラム音源のラインナップは次の通りとなります。まあまあある。
- EZdrummer3
- BFD3.5
- Steven Slate Drums 5.5
- Natural Drums
- DrumNet
- OneShot
- DrumTree
- Soul Drums
- Conner Denice Drums
- Original Abe Laboriel Jr. Drums
マニアックなものが結構あるんじゃないかと思います。我ながら素晴らしいチョイスだ(笑)。ひねくれ者ですから、王道から少し外れたい人間なんす。
コンセプト
全て同じフレーズで純粋な比較をしたいところではありましたが、Keymapが結構みんなバラバラなんで、今回は各製品“どんな音なのか”という部分に焦点を当て聴き比べする感じで行きます。
優劣を決めるのではなく、それぞれの得意分野や個人的に推せる部分を見つける事が出来れば良き。
我が望み
私的には自身で打ち込むなり、音源内蔵のリズムパターンで土台を構築するなり、当然そういった工程を経て楽曲製作する訳ですが、音源を色々差し替えてもフレーズは等しく鳴って欲しい訳ですよ。
それがドラム音源はねぇ、意外と融通が効かない。GM配列なら統一出来そうに思えたのですが、各社微妙に違う。特にタムやシンバルの種類や並びには個性がありやがる(笑)。
音比較の前提
可能な限りKeymapを触らず同じフレーズを鳴らしたいので、今回は中心となる音源を決め2つのグループに分けた形になってます。大手3社とその他、という感じです。
1つ目の中心音源はEZdrummer3。EZdrummer3で作成したMidiグルーブ、そのKeymapに適応出来たのがBFDとSSDだけなんです。ホントは全部コレで鳴らせたら最高なんすけど。
2つ目はNatural Drums。エレクトリックドラム音源ですが、リズム生成に強みを持ちます。残りの音源は全てコチラのグループで、Natural Drumsで作成したリズムパターンで鳴らします。
少し違う音が鳴ったりするヤツもありますが、今回些末な事は無視。でも概ねコレで大丈夫な感じ。使用プリセットは画像を参照してください。
音比較
使用エフェクトプラグイン

今回は全トラックにこのRich Drumsを使い、音源の印象が大きく変わらない程度の、それぞれ聴きやすくなると思ったプリセットを適用しています。
最終段にはクリップ防止でNugenのリミッターを掛けてます。
グループA
EZdrummer3

生ドラム系の基準サウンドをコレとします。比較するとより分かるのですが、やっぱサウンドバランス良し。グループAのMidiグルーブもコレで作成。
意外なことにGM配列の設定が出来ず、独自色がかなり強い。よってEZdrummer3のKeymapを用意している音源でないと同じパターンで鳴りません。カスタムとか手入れが必要です。
音?聞いての通り素晴らしい。そのままでも使えるし、音作りにおいては足し引きどちらも行えるのが良いですね。
私的評価 … ★★★★★★★★★☆
BFD3.5

リアルなサウンドが売りのBFD。ただそのままだと正直使える音ではなく、音色を作り込んでなんぼの玄人向けな音源だと思います。
今回は追加音源のプリセットと別キット(AFD)とを組み合わせてます。ハマれば特に弄らずとも中々良いサウンドになるので、個人的には“BFD使える”感触はメチャクチャあります。
しかもEZdrummer3のMidiグルーブをほぼ完璧に鳴らすことが出来てます。音色の幅が広がるってもんです。現在では価格もBFDは圧倒的に安いですから、選択肢の一つとしては充分にアリ。
でも追加エクスパンションありきな所はあります。
私的評価 … ★★★★★★★★☆☆
Steven Slate Drums 5.5

即戦力音源との評判がありチョイ前入手しました。ただ言っちゃいますけど、即戦力という前提であれば内蔵のものはイマイチ。
BFDも同じで追加音源買ってなんぼ、な印象です。キット数は少なくても、どれもしっかり使えるサウンドのEZdrummer3の方がユーザビリティは高いと言えます。
ただEZdrummer3のグルーブにも対応し、自身でもリズムパターンの自動生成が出来るのはかなりの強みです。残念なのはSSDのKeymapもまた独特で、それを上手く鳴らせる音源は有りませんでした。
SSDで作ったものはSSDで。そういうこと。
私的評価 … ★★★★★★★☆☆☆
グループB
DAACI / Natural Drums

AIの力を使いリズムパターンを生成するエレドラ音源。生成機能が強みなので、コレでパターンを作成せずどうするの!ってな感じで基準になりました。
ただ内蔵音源も悪くはないと思いません?数こそあまりありませんが全然使えそう。まあ当然ながらパターンとの親和性が最も高いというのもあるでしょうね。
キーボードへの配列はシンプル、割り当ても簡単なので、各音源に合わせてNatural Drumsの方で切り替えていけば手間は減るし他の音源も問題なく鳴らせそう。
私的評価 … ★★★★★★★★☆☆
Session Loops / DrumNet

DrumNetもシーケンサーを搭載したエレドラ音源。NaturalDrumsよりも多くの音色を内蔵。でもコイツの最大の強みはAIにより波形を変え音色そのものを生み出せる点。
有料版ではその作成したオリジナル音色を1ショットサンプルとして保存する事ができ、他のサンプラーで鳴らす事が可能になります。無料版ではそれが出来ません。
でも正直、狙った音を作成するのは難しいです。で長く触ってると耳変起こして音がわかんなくなっちゃうし、今のところあんましやってない。こだわる人にはかなりオススメ。
私的評価 … ★★★★★★☆☆☆☆
Klevgrand / OneShot

Klevgrandのドラムサンプラー。膨大な量の音色を内蔵し質も高い。操作性も良く凄くお気に入りなんですが如何せん“重い”。重すぎる。私が所有する全音源の中で最重です。
音色によってはStudio Oneで負荷30〜40%は持っていかれます。ここはどうにかしてもらいたいですねぇ。流石においそれと使えないですよ。で、NaturalDrumsのパターンもちゃんとは鳴りません。タムが合ってない。
使いやすさ、音、どちらも素晴らしいのに、高負荷なのが全てを帳消しにしてる感じ。気になる方はまずは絶対トライアル。
私的評価 … ★★★★★★★☆☆☆
Premiere Sound Factory / DrumTree

生ドラム系で私がこれまで最もよく使ってきたドラム音源。残念ながらEZdrummer3のパターンには全く適応出来ず。NaturalDrumsのパターンも完璧には表現出来てません。
マスタリング済みの音源という触れ込み通り、なるほどオケの馴染み方はグッド。ボリューム感をコントロールするくらいで後は手を付けない方が良さそうに思えます。
弱点は、タムが3つ、そしてハイハットのコントロールが難しい。何もしないとずっとオープンで鳴ってしまう。公式にて対処法が公開されてますが、イマイチ私は理解してません(笑)。
私的評価 … ★★★★★★★★☆☆
UVI / Soul Drums

ソウルフルでニッチなドラム音源。使い所が難しそうなイメージでしたが、ポップス系の曲調にハマりそうなサウンドが多々あります。
NaturalDrumsのリズムパターンもしっかり鳴ってくれてますし、丸く柔らかいこの音は貴重な戦力。欠点はプリセット毎に音量が違うとこかな。
UVIの音源はKey SuitesやWorld Suitesを持っているくらい好きなんです。あんま向き合ってないですけど(笑)。ダウンロードに時間がクソ掛かる点もなんとかして欲しい。
私的評価 … ★★★★★★★☆☆☆
KitPlugin / Conner Denice Drums

KitPluginは最近知ったプラグインメーカーで同社のリバーブが安くなるのを待ってます。なんかねぇ、前のセールでコッチを買っちゃった(笑)。
まだあまり使い込んではいないのですが、サウンドの重心が高めで少し軽い印象。BFDのように各パーツの音色は細かく追い込むことが可能で操作性も高いです。
Toontrackのキーマップが用意されてますが上手く鳴りません。よって今回こちらのグループに。Keymap自体のカスタマイズは出来ますが、素でEZdrummer3のパターンに対応して欲しかった。
私的評価 … ★★★★★★★☆☆☆
Spitfire / Original Abe Laboriel Jr. Drums

Spitfireでストリングスに手を出さずコレを買う俺。やっぱ価格なんすよねぇ。コレ確か29ドルだったんじゃないかなぁ。無茶クソ安かったんでついポチッちゃいました。
著名なセッションドラマーとのコラボで誕生した音源で、軽快なリズムパターンに凄く合いそう。ただキット自体は1種類で、スネアの音を変えれる程度しか音色変更は出来ません。
また各パーツのパン振り等も出来ず、物足りなさは否めない。主役は豊富に用意されている内蔵ループなのかも。ループって個人的に使い所分かんないというか皆無なんですよねぇ。
私的評価 … ★★★★★★☆☆☆☆
終わりに
ドラム音源だけの話ではありませんが、安いからって取り敢えず買っちゃうのは良くない(笑)。結果余計にお金がかかるのは勿論、SSDの肥やしになっちゃう可能性も高まりますからね。
良い子は真似しないように!
他にも注目してるドラム音源
買いまくるな、と言っておきながら(笑)他にも試してみたいドラム音源がまだいくつかあるんですよぉ。最後にそれをご紹介して締めとさせて頂きます。
- Bogren Digital / Eloy Drums
- ML Sound Lab / Yamz
今はこの2つかな。
BogrenのはSlipkotのドラマーの音源で新製品ですね。サウンド聞きましたけど中々良い。メタル向けなんでしょうがもうちょい幅広く使える印象。
ML SoundのYamzはYamahaのキットがベースになってます。これは価格的にも魅力的です。丁度執筆中に3周年セールしてるので行っちゃうかも。
両社フリーのドラム音源を用意してくれているのでまずはそれらでお茶を濁すのもアリですね。まあどっちも欲しいです。

