音楽の幅を広げよう!ルーツを知ることの大切さ

もしあなたがプロフェッショナルなシンガーになりたいのなら、今回お話しする内容は避けては通れない重要なものになりますので、是非知っておいて頂きたい。

自分の音楽の幅を広げること。

根っからの音楽好きならば自然と行え、どんどん世界を広げていけるのですが、もし「自分はそうじゃないなぁ」と思える場合はしっかり学んだほうがよろしいかと。

でも好きでもない音楽を聞くのは苦痛ですよね?(笑)。

ほぼ全ての人が音楽に興味を持った時点で、リアルタイムで活躍している国内アーティストを入り口にすると思います。全然悪くない、むしろ当たり前のこと。

そして大事なのは、そこで永遠にとどまるのではなく、彼らのルーツを辿っていくことです。自分の好きなアーティストが誰からどんな影響を受け、どんなジャンルを聞いていたのか。

こういった探求心がもたらしてくれる恩恵は、音楽人として生きようとしているあなたにとって、物凄くデカイです!

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ルーツを辿る

何も意識しなければ私たちの視野は非常に狭く、目の前にあるもの、与えられたものしか見ることが出来ません。現在はネット社会で簡単に情報をゲットできますが、自らの行動が大切なのは今も昔も変わりません。

「知ろう」とすることが第一歩であり、音楽人であるならば、小さな世界で満足することはそれ以上の成長が見込めないばかりか、後々ぶつかるであろう障壁を超える事はほぼ不可能でしょう。

新しいものを知り、吸収する。どの道においても、生涯学習は必須だと思います。

無言の継承

音楽に限った話ではありませんが、我々が今立っている場所は、様々な先駆者たちが築き上げ開拓し、今も紡がれ続けられている流れの中にあると言えます。

積み上げられ多様化し、様々形を変えていく。それは自然なことであり、真実です。無数の枝葉を持つ大木をイメージしてもらえると分かり易いかと思います。

音楽の場合は、明確な「バトンタッチ」など存在しませんが、そのサウンドは確実に引き継がれていくと思います。誰かの音が誰かを感動させ新たな音となり、その新たな音がまた誰かを感動させる。

そうやって止まることなく「音」というのは次の世代へと自然に継承されていく。そういったことも音楽の素晴らしさであり、楽しさだと感じます。

好きなアーティストから辿る

プロで活躍されているミュージシャンであれば、必ず自身の音楽のルーツ、原点を持っています。そういった影響を受けたものを消化、吸収し、自分オリジナルの音に変換して表現しています。強力で太っといバックボーンがあるんです。

逆にそういったものがないミュージシャンには薄っぺらいイメージを抱きますし、音にも確実に現れると思います。限られた表現力、スキルで息長く活動することはまず不可能なのは想像に難くないですよね。

現在あなたにとって、一番好き、あるいは目標にしているミュージシャンは誰でしょうか?そういった明確な将来像となりうるミュージシャンがいる方は、いない方に比べてチョー楽です。特にそれが国内ミュージシャンであれば、数多くの情報をネットでチョチョイと入手できます。

調べ方は簡単、「アーティスト名 影響を受けた」で検索すれば一発です(笑)。ウィキペディアや熱烈なファンサイトなどでも情報が手に入るかもしれません。更にその影響を受けた人物が影響を受けたミュージシャン(笑)を調べていく事で、どんどんルーツを探れます。

大体海外ミュージシャンだと思いますが、興味が沸いた人物、バンドの音を実際にYouTube等で確認してみましょう。更に好感触であれば、音源(CDでもMP3でも)を入手して聴き込む事をおすすめします。そしてカヴァーしまくる!じゃないと身にはなりませんから。

好きなジャンルから辿る

過去に遡っていくのではなく、横に広げる方法。これは中々大変ですよ~。

リズム&ブルースなら、その道の有名なミュージシャンやオムニバス作品を手当たり次第聞いてみます。これは自分のお気に入り(曲、ミュージシャン)を見つける作業に当たりますね。

私は若かりし日に実際にコレやったことあります。いわゆるジャケ買い(死語か!)というやつ。昭和の人間はネット社会なんて最近の事なのです。外れCDなんて数知れず・・・(-_-;)。

ポイントとしては、自分の好きなジャンルにおける超メジャーな曲から聞いていくのがやっぱり一番。おすすめは海外の楽曲。ルーツを辿るという意味でやはり英国、米国の本場の音を聞いた方が良いです。

気に入った海外ミュージシャンが見つかれば、それを聞きまくってモノにしていくのもいいですし、そのミュージシャンに影響を与えた音を調べていくのもいいですね。

私の場合

私が音楽に興味を持つようになったのは、「緑山高校」という野球マンガのOVAの主題歌、野澤恵さんの「遅れて来た勇者たち」。初めて自分で買ったCDでもあります。豪華声優陣が名を連ねるアニメ自体もさることながら、この歌、名曲認定してもいいと思います!

その後、チャゲアスのバラードにハマり、尾崎豊の全てに衝撃を受け、B’zロックのカッコ良さを知り、X-Japan(当時はX)で新たな扉を開き、Ziggyのコピーバンドで音楽人生スタート。
一年後にはギタリスト君の影響で更なるディープな世界に。LoudnessやVOW WOWを皮切りに洋楽バンドも聞き漁るようになり、ロックの世界に傾倒していきました。

私が今なお、敬愛してやまないボーカリストがポール・ロジャース。彼を知ることが出来たのも、あるバンドのルーツを辿ったことがきっかけ。そのバンドが「Mr.Big」。彼らのバンド名が「Free」の楽曲から取られたものだと知り、興味が沸いて聞いてみることに。

Mr.Big」→「Free (Paul Rodgers)」→「Muddy Waters

と、最終的には本格的なブルースを知ることが出来ました。私のボーカリストとしての音楽的始点となるものです。自分の好きだったボーカリストの多くが、ブルージーなスタイルを有しており、彼らがどのように自らの音を構築しているのかをより深く理解出来るようにもなりましたね。

得られるもの

ここからはボーカリスト的視点を重視して書いていきます。

ルーツを辿り、新たな音と出会い、たくさんカヴァーし、そのアーティストの音を理解する。ここまでやることで初めて「吸収した」と言えます。

上っ面だけを見れば「ただ真似しているだけでなかろうか?」と疑心暗鬼になりがちです。しかし、新しいメロディに挑み、結果歌い上げる事が出来るようになったのであれば、間違いなく「自分の中にストック出来た」状態だと言えます。

音楽的にレベルアップしたと断言できます。後はそれを活かすも殺すも自分次第で、また別の能力が必要になる訳ですが。

では具体的にどのようなものを習得出来るのか、挙げていきましょう!

メロディセンス

新しいメロディを歌えるようになった訳ですから、引き出しが増えるのは必然。

日本語でばかり歌っていた方であれば、英語の歌を習得するだけで大きな発見があるでしょう。日本語の場合は一音に一語を当てはめがち、というか普通にハマり易く、決められたメロディを歌いやすい言葉だと思います。

英語ってそうではないんですよねぇ。単語が並び文章が構成されていて、一音に一語を当てはめる様なメロディラインにはならず、かなり自由度が高いです。しかも個人的には凄く歌いやすい。こう感じる要因は体感的には分かってはいるのですが、言葉にするのは中々難しいのでまたの機会にさせて頂きますm(__)m

この英詞のフィーリングを日本詞に上手く置き換える事が出来ると、結構面白いものが生まれると思います。ただ英語っぽく歌われている日本語曲は腐るほどありますが、そういう事ではありません。真にこの技術を有しているのは、やはり「稲葉浩志」が随一。

だいぶ脱線してしまいましたが、自分で作曲や作詞をする時には「持っているもの」が多い程、有利なのは間違いありません。新しいメロディを知り、自分の中に落とし込むことで「メロディ生成力」は間違いなく高まります。

アドリブ”力”

決められた事を決められた通りにやる能力については、日本人は長けていると思います。音楽の世界において、実際コレも大切な技術です。特にサポートミュージシャンのような「従」の立場の人には必須能力。

しかしあなたが「主」の立場なら、それだけでは少し寂しい。自分の表現したい事をもっと自由に、もっと楽しく、最大限に発揮するために「アドリブ」というのは大きな助けとなります。特にステージパフォーマンス時

アドリブスキルは海外のボーカリストの方が圧倒的に高い。言語的なことや根底にある音楽の歴史など、そこには様々な理由があるのですが、ルーツを辿り、そこで知り得たボーカリストの歌唱を聴いてみれば分かると思います。「分からないよ!」という方は、是非ライブ音源や動画などをチェックしてみて下さい。

アドリブとは何ぞや?というのを語り出すとスーパー長くなってしまいますので、ここでは簡単に。
「Oh~」「Yeah~」等を使い、歌メロのない伴奏部でその時々に新たなメロディを生み出す方法、ずばりレベル1。
ある部分のメロディラインそれ自体を、その時々の感情、テンションに応じて新たなものに変えてしまう方法、これぞレベル2。
ド頭からCD音源と全く違うメロで始め、歌いながら「ライヴ楽曲」として仕上げていく方法、レベル3。

楽曲構成にも依りますので一概には言えませんので、やりすぎ厳禁(笑)。レベル3なんかはブルース寄りの曲なんかじゃないと無理でしょうが、実際やってる人いますから。レベル2くらいまで出来るといい感じですね。

上記のような事も、知らなければ出来ませんが、学び身に付ければ絶対自分なりの表現方法が生まれるハズです。「ここはライヴではアドリブパート」といった意図で音源自体を完成させる、といった発想も出来ますね。

リズム”力”

これもアドリブと同じく日本人にとっては鬼門のスキル。

私たちが無意識で音を奏でようとすると、ほぼ必ず8ビートになるでしょう。子供の頃から親しみ、歌ってきた曲がそんなんばっかですからね。体にしみ込んだリズムなんだからある意味しょうがない。16ビートとの区別が付かない人もたくさんいます。

3連符を基調とした、シャッフル、スウィング。8ビートや16ビートをハネさしたもの。こういったリズムも、海外のミュージシャンはごく自然に楽曲に組み込んでいます。

ルーツ巡りで海外ミュージシャンに辿り着いたのなら、是非”リズム”に重点を置いてじっくり聴いてみて下さい。8ビートでも”ウラ”を意識して歌いノリを出していたり、16を感じながら表現していたりと、学ぶべき事が多く潜んでいます。

そういった技術に気付いた上で、意識し練習する事で「リズム感」が養われていくと思います。色んなリズムを体得できれば当然音楽的な幅は広がり、どんどん楽しくなっていきますよ!

リズムというのはテンポでも大きく印象が変わりますが、実はスローな楽曲の方が自身の腕が試されます。16ビートのスローバラードなんかは歌い甲斐がありますよ。お試しあれ。

まとめ

私らしく、地道に長々と、書き綴りました。

まだまだ文章を簡潔にする能力は私には欠けている様です。申し訳ございません。特にボーカリスト視点で書き始めると止まらないな、と書きながら思いました。

あくまでも個人的経験から得たことを、個人的見解から書いていますので、自分には合わないな、という場合はスルーして頂いて全然構わないと思っております。

ただし、音楽的幅を広げる努力は、絶対必要。

今回は、好きなものから幅を広げるための一つのアイデアとして「ルーツを辿る」という方法をご紹介しました。ルーツを遡りお気に入りのミュージシャンを見つけたら、そこから横に広げていく(同年代の同ジャンルのミュージシャン)のもイイですね。

食わず嫌いせず、是非たくさんの「音」に触れてみてもらいたいと思います。運命の出会いは、ひょっとすると”まだ”かも知れませんよ?